“光造形だからこそ叶った”
高品質なデザイン、細部の再現、使いやすさまでこだわり抜いた
オリジナル石けんスタンプ

株式会社Life Design Recipe様は、IT関連のスキルと手作り石けんの経験を活かし、手作り石けんを楽しむ人を応援するコンテンツを「Cosme Recipe」ブランドとして提供しています(https://cosme-recipe.jp)。
Cosme Recipeの運営において、3Dプリンターをどのように取り入れ、制作や運営に活用されていらっしゃるのでしょうか。導入の背景から具体的な活用方法まで、開発担当者様にお話を伺いました。

「石けんスタンプ」とはどういうものでしょうか?

手作り石けんの表面に模様や文字を押して、シンプルな石けんにデザイン性を持たせるためのアイテムです。見た目が良くなるだけでなく、石けんの“中身”を伝える実用性も持たせることができます。

例えば、植物エキスや米ぬかなどのオプション素材を配合した石けんに、モチーフと素材名が入ったスタンプを押すことで、何を入れた石けんなのかがひと目で分かる“ラベル”の役割も果たします。
また、伝えたいメッセージを文字として入れることもできます。
そういった点から、スタンプすることで、自分用として楽しむのはもちろん、大切な人への贈り物にも最適な石けんにすることができます。

一方で、スタンプは石けんをカットして間もないタイミングで押すことが多く、石けん生地は表面と内部で硬さが異なる状態になりやすいです。紙や均一に練られたクッキー生地に押す場合と比べて、繊細な模様や文字をきれいに再現するのが難しいです。さらに、押すときに石けん生地がスタンプに引っ張られるため、細い線や細部の耐久性(欠け・つぶれ)も課題になります。

植物スタンプ

石けんスタンプを販売しようとした経緯はなんですか?

販売を考えた背景には、市販の石けんスタンプに対する課題がありました。
日本では手作り石けん用スタンプの選択肢が少なく、欲しいと思えるデザインが見つかりにくいことに加え、押した際に「O」や「A」などの穴が潰れてしまう、繊細な模様が再現されないといった問題が起きやすいと感じていました。

一方で、ジュエリーCADや企業用造形機の運用経験があり、ジュエリー制作では国家資格(貴金属装身具製作技能士)も取得していました。さらにIT業界での経験を通じて、「作る」だけでなく「検証して改善する」ことが得意な土台ができました。ものづくりが好きで、細部まで突き詰めたくなる性格でもあります。
こうした経験を活かし、「デザイン性が高く、繊細な模様や文字が潰れにくい石けんスタンプ」を自分で作り、手作り石けんを楽しむ方に届けたいと考えたことが、販売を始めたきっかけです。

オプション用スタンプ

Cosme Recipeのこだわりは?

Cosme Recipeが大切にしているのは、手作り石けんの楽しさを広げる“デザイン”です。デザインを楽しむために、石けんに押したときに模様や文字がつぶれにくく、きれいに再現されること、そして耐久性とのバランスまで含めて設計しています。そのため、CADデータは0.01mm単位で微調整し、線の太さや深さ、エッジの立ち方など細部まで詰めています。

また、使いやすさにもこだわり、模様や持ち手の高さ、スタンプ全体の重さまで考慮しています。
仕上げ工程では、面取りと表面磨きを丁寧に行い、側面は気持ちが良いくらいツルツルになるまで磨き上げ、使うたびに心地よさを感じられる品質を目指しています。
こうした工程を積み重ね、とにかく細部にこだわり抜くこと。それがCosme Recipeのものづくりの姿勢です。

3Dプリンターとの出会いとPhrozenの評価は?

ジュエリーCADに携わっていた頃から、3Dプリンターは身近な存在でした。当時はインクジェット式が主流で価格も高額でしたが、ここ10年ほどで手頃になり、4〜5年前にXYZPrinting社の「ダヴィンチ Jr.Pro X+」(FDM方式)を購入しました。
ただ、忙しさから2年ほど稼働できない期間があり、その間に同社が3Dプリント事業を撤廃していました。消耗品はイグアス社のオンラインサイトから購入できたため、「細かい模様が再現できない」点を相談したところ、繊細な表現には光造形方式が向いていると案内いただき、サンプルの作成を依頼しました。仕上がりの違いは明らかだったため、光造形3Dプリンターの導入を具体的に検討しました。

当時販売されていた光造形機を一通り確認し、複数社から話も伺ったうえで、最終的にイグアス社から購入しようと決めた理由は、営業担当の方の「最初のひとつを作れるようになるまでサポートします。売りっぱなしにはしない方針です」という言葉でした。新しい機器の導入には不安がつきものですが、その真摯なサポート体制への安心感が、何よりの決め手となりました。

また、Phrozen社がレジン開発に注力している点も大きな魅力でした。レジンの質は造形の精度に直結します。実際に10種類ほどのレジンを比較検討したところ、収縮率が低く、繊細な模様も非常にシャープに再現できる印象でした。文字や模様の太さがわずかに変わるだけで、石けんに刻印した際の仕上がりは大きく左右されます。だからこそ、この安定感は大きな決め手となり、品質に自信を持って販売できる商品づくりにつながっています。加えて、色味もターゲットである大人の女性に好まれやすい、くすみ系のマカロンカラーが揃っているのも嬉しい点です。

大人の女性に似合うくすみマロンカラー

Cosme Recipeの今後の展開

繊細な模様の再現という点でFDM方式に限界がありましたが、FDMには複数色での造形ができることや、耐久性に優れる点は大きな強みです。特に最近の機種は操作性も向上している印象で、FDM方式のプリンターについては、買い替えを検討しています。

今後は、石けんスタンプのように繊細な模様や文字の再現が求められるものには光造形を、石けんカッターのように強度や耐久性が必要なものにはFDMを、と用途に応じて最適な方式を使い分けながら開発を進めていきたいと考えています。3Dプリンターを組み合わせて活用することで、手作り石けんをより楽しんでいただけるコンテンツを幅広く展開していく予定です。